Japanische Klassiker mit Furigana
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がん
雁
Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme
片附けなくても好いとは云われても、洗う物だけは洗って置かなくてはと思って、小桶に湯を取って茶碗や皿をちゃらちゃら言わせていると、そこへお玉は紙に包んだ物を持って出て来た。「あら、矢っ張り片附けているのね。それんばかりの物を洗うのはわけは無いから、わたしがするよ。お前髪はゆうべ結ったのだからそれで好いわね。早く着物をお着替よ。そしてなんにもお土産が無いから、これを持ってお出」こう云って紙包をわたした。中には例の骨牌のような恰好をした半円の青い札がはいっていたのである。
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梅をせき立てて出して置いて、お玉は甲斐甲斐しく襷を掛け褄を端折って台所に出た。そしてさも面白い事をするように、梅が洗い掛けて置いた茶碗や皿を洗い始めた。こんな為事は昔取った杵柄で、梅なんぞが企て及ばぬ程迅速に、しかも周密に出来る筈のお玉が、きょうは子供がおもちゃを持って遊ぶより手ぬるい洗いようをしている。取り上げた皿一枚が五分間も手を離れない。そしてお玉の顔は活気のある淡紅色に赫いて、目は空を見ている。
そしてその頭の中には、極めて楽観的な写象が往来している。