Japanische Klassiker mit Furigana
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がん
雁
Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme
持主は湯島切通しの質屋で、そこの隠居がついこの間まで住んでいたのが亡くなったので、婆あさんは本店へ引き取られたと云うのである。隣が裁縫の師匠をしているので、少し騒がしいが、わざわざ隠居所に木なんぞを選んで立てたものゆえ、どことなく住心地が好さそうである。入口の格子戸から、花崗石を塗り込めた敲きの庭まで、小ざっぱりと奥床しげに出来ている。
末造は一晩床の上に寝転んで、二つの中どれにしようかと考えた。傍には女房が子供を寐かそうと思って、自分も一しょに寐入ってしまって、大きな口を開いて、女らしくない鼾をしている。亭主が夜、貸金の利廻しを考えて、いつまでも眠らずにいるのは常の事なので、女房は何時まで亭主が目を開いていようが、少しも気になんぞはせぬのである。末造は腹のうちで可笑しくてたまらない。考えつつ女房の顔を見て、こう思った。「まあ、同じ女でもこんな面をしているのもある。あのお玉はだいぶ久しく見ないが、あの時はまだ子供上がりであったのに、おとなしい中に意気な処のある、震い附きたいような顔をしていた。さぞこの頃は女振を上げているだろうな。顔を見るのが楽みだな。