Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
がん
雁
Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme
しかし檀那が毎日のように来るので、若し留守を明けていて、機嫌を損じてはならないと云う心配から、一日一日と、思いながら父親の所へ尋ねて行かずに過すのである。檀那は朝までいることはない。早い時は十一時頃に帰ってしまう。又きょうは外へ行かなくてはならぬのだが、ちょいと寄ったと云って、箱火鉢の向うに据わって、烟草を呑んで帰ることもある。それでもきょうは檀那がきっと来ないと見極めの附いた日というのがないので、思い切って出ることが出来ない。昼間出れば出られぬことはない筈だが、使っている小女が子供と云っても好い位だから、何一つ任せて置かれない。それになんだか近所のものに顔を見られるような気がして、昼間は外へ出たくない。初のうちは坂下の湯に這入りに行くにも、今頃は透いているか見て来ておくれと、小女に様子を見て来させた上で、そっと行った位である。
何事もなくても、こんな風に怯れがちなお玉の胆をとりひしいだ事が、越して来てから三日目にあった。それは越した日に八百屋も、肴屋も通帳を持って来て、出入を頼んだのに、その日には肴屋が来ぬので、小さい梅を坂下へ遣って、何か切身でも買って来させようとした時の事である。