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Japanische Klassiker mit Furigana

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がん

雁

森 鴎外

Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme

Aozora Bunko

しかしとにかく烈しく夫に打っ附かったって駄目だから、よそうと云うことだけは極めることが出来た。

そこへ末造が這入って来た。お常はわざとらしく取り上げた団扇の柄をいじって黙っている。

「おや。又変な様子をしているな。どうしたのだい」上さんがいつもする「お帰りなさい」と云う挨拶をしないでいても、別に腹は立てない。機嫌が好いからである。

お常は黙っている。衝突を避けようとは思ったが、夫の帰ったのを見ると、悔やしさが込み上げて来て、まるで反抗せずにはいられそうになくなった。

「又何か下だらない事を考えているな。よせよせ」上さんの肩の所に手を掛けて、二三遍ゆさぶって置いて、自分の床に据わった。

「わたしどうしようかと思っていますの。帰ろうと云ったって、帰る内は無し、子供もあるし」

「なんだと。どうしようかと思っている。どうもしなくたって好いじゃないか。天下は太平無事だ」

「それはあなたは太平楽を言っていられますでしょう。わたしさえどうにかなってしまえば好いのだから」

「おかしいなあ。どうにかなるなんて。どうなるにも及ばない。そのままでいれば好い」

「たんと茶にしてお出なさい。