Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

ごしごしやっていると、台所で母のよぶ声がした。

「だれも、いないの――」

音枝はとたんに、スーツのことはいうまいと決心しながら、

「はーい。」

手をふきふき出てゆくと、まだねまきのままの安江はつかれた顔で、

「お客さまじゃないか。ベル、きこえないのかね。」

「そう。ごめんなさい。」

わが家の客は大てい午後なのにと思いながら、ぬれたエプロンをはずして音枝は小走りに玄関へ出ていった。浜子である。きゃあっと笑いだす浜子に、いそがしく手をふって、

「しいっ!」

浜子はとたんに笑顔を真顔にきりかえ、

「なあに。」

と、内しょ声になる。音枝も声をひそめ、

「おかあさん、今おきるとこよ。もうちょっと歩いてらっしゃいよ。」

「だめなのよそれが。あんたのくつ、いたくていたくて、水ぶくれになりそうよ、ほら。」

くつずれのかかとをむき出してみせる浜子は、もう内しょ声をなかば忘れて、

「ね、わたしのくつはいていく。すまないけど、ばんそうこう切ってきて。」

それも仕方がないと、音枝は奥へ引っかえした。安江がようじをくわえたまま洗面所から顔を出して、だあれ? という顔をするのへ、

「浜ちゃんなの。