Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
純情だの、失恋などと、なまやさしいことではない。浜子などに、いったところでわかるものかと音枝はひそかに力んだ。
浜子はほんとになかなかもどってこない。それでも父や母の手前を、できる限りかばってやろうとしているのに、音枝のそんな心づかいなどおかまいなしで、そとが暗くなってもかえらないのだ。わざと三十分おくらした夕食のぜん立てをしていると、まっさきにはいってきた文吉が、
「浜ちゃん、どうした?」
音枝はすこし不きげんに、
「公休日よ。」
つづいて安江が座につきながら、
「おそいね、浜ちゃん。」
すると音枝はへんに突っかかる調子で、
「いいじゃないの。たまのお休みですもの。」
すると今度は、外で遊んでいた夏樹をよびにいった冬太郎が、夏樹と一しょにきゃあつくさわぎながらかけこんでくるなり、
「浜ちゃんは?」
音枝はきゅっとまゆをよせ、
「みんな、かまうのね浜ちゃんを――」
「かまやしないよ。いないから聞いたんじゃないか。」
不服に口をとがらした冬太郎は、つづけて、
「きょう学校の帰りにさ、友だちと一しょに銀座へ出たんだよ。そしたら四丁目で浜ちゃんみたいやつに出あったからさ――」