Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
夜中だよお前。」
「どうも、すみません。」
安江はゆがんだ笑顔であやまり、声をひそめて、
「思い知らした方がいいかと思ってね。いま浜ちゃんにひま出したとこなのよ。」
「いま!」
「ええ、いま。あしたから仕事さがしするってよ。」
「かわいそうだよ、そいつは。」
「そうなのよ。でもそういう、はたの者の考えは邪魔だっていうんですもの。とにかく一ぺん、世間をみさした方がいいのよ。今もいったんだけど、十九でもね、音枝なんかより、よっぽどはっきりしてるわ。ある意味で感心してるのよわたし。うらやましいぐらい。あの子なら、なんとかやりますよ。あの神経の太さ、音枝の、まだ手をとおさないスーツをきて平気で出かけたんですからね。そして、映画館で手を握られた男と散歩したんですって。しゃあしゃあと私にそれをいうんですもの。わたしが心配すると、おばさんも昔、おぼえがあるでしょうって。しかも今は時代がかわってるって逆にお説教よ。スリルがあっておもしろかったんですってよ。わたしの心配なんて、てんでうけつけないんだもの。」
文吉は声を立てて笑い出し、
「おいおい、相手は十九の小娘だぜ。」
しかし静かなかたちで燃えあがっていった安江の興奮はなかなかさめそうもなかった。