Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
「何も、わしが戸板にのせてくれというたわけじゃあないさ。近所の衆がよってたかってのせてしまったんだよ。みんながね、よってたかってさ。」
その日兵六さんは、夜おそく家の近くまでたどりついてから、急に思いきって、道ばたの一ぱいのみやのなわのれんをくぐったのであった。朝出がけに、女房の前で大きな口をきいた手前、素手で帰ってゆくわが家の敷居が高くてならず、そこをとびこえるための手段であった。出かけた目的はいうまでもなく金策である。
「お安さんとこへゆけば二万や三万いつでも出してくれるよ。あ。出してくれるとも。出してくれるわけがあるんだからね、わけがよ。ああ、大丈夫だ。まかりまちがっても五千や一万はにぎってくるからな、ああ、大丈夫だとも。」
生来のくせで、そんな風に安うけあいをして出かけたのだったが、安江夫婦はいず、音枝に泣きついた。
「音枝ちゃん、すまないけど、あしたまで百円かしてもらえんかね。財布をおっことしちゃってね。」
音枝はそれをまにうけて五百円札を一枚さし出した。すると夏樹までが箱根細工の貯金箱をもち出してきて、
「兵六さん、ぼくの十円貯金もあげるよ。