Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
商店のならんだ通りを歩いていると、軒に大きなちょうちんをぶら下げた支那そばやがあった。いつもいつも飯時をねらっているような訪問を思い、せめてきょうなと腹をつくってゆこうと、のれんをくぐった。ふところにはまだ三百五六十円はあるはずだ。時刻のせいか客は一ぱいで、たった一つだけそれも若い女の先客がいる小さなテーブルがあいていた。かまわず腰かけると、
「あらっ、こんちわ。」
思いがけなさに兵六さんはとびあがった。浜子である。
「おお、お安さんちの、女中さんよな。」
浜子は不きげんをあらわにして、
「おじさん、顔、どうなさいました。」
「ああ、ひどいめにあってね。むちゃくちゃだまったく。町のかどで出あいがしらってやつさ。むこうも自転車、こっちも自転車。しかしむこうが違反さね。ベルも鳴らさずに右側をやってきたんだからさ。ところがこっちゃあ年よりだアね、おっぽり出されてやっとこすっとこ起き出した時にゃあ相手の若いのは雲をかすみさ。自転車は借りものときてらあ。ひん曲って目もあてられねえ。ああ、まったく貧乏くじひいたよ。――」
いつものくせの、くりかえしもなく、すらすら流れ出す話の筋に満足した顔で、