Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
あとの方は泣きべそをかきながら、玄関の式台にかけたまま横をむいて目をこすった。
「ま、ま、おじさん、とにかくおあがんなさいよ。」
招じながら音枝はふと疑問を感じた。ここからの帰りに、どうして自転車にのったのだろう? しかし、れっきとした証拠の傷あとはうたがいをふっ消すのに十分だった。びっこまでひいているではないか。それで無心にきたのだと思いながら、
「自転車って、高いんでしょ。一万円以上じゃない?」
すると夏樹がそれに答えた。
「一万円なんて、馬鹿だなあおねえちゃん。ぼくの買いたい子供自転車だって、一万円だよ。」
「あ、そうか。」
「おとなのなら二万円ぐらいだよ。ね兵六さん。」
「さあね、二万円に近いだろうね。」
案外、けろっとしている。音枝の関心ぶりにほっとしているのかもしれない。
「それで、どうしますのおじさん。」
心配顔の音枝に、
「実はね、それで相談にきたんだがね。おかあさん、いるかね、おかあさん……」
彼はもうすでに浜子や夏樹に聞いて知っていることをまた聞いた。
「いますけど。困ったわ。母は今面会謝絶で急ぎの仕事をしてるのよおじさん。ですからこの話、四五日まってくださいな。