Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

」

そらきた! と音枝は伸子の手をとめて聞き耳を立てた。学生アルバイトらしい若い声だ。いろんなものをならべ立てているらしく、品物と値段をいうたびに、浜子の声が、

――まにあってます。――それもまにあってますわ。――みーんなまにあってますわ――うそだと思うなら、みせましょうか。ゴムヒモなんて、売りたいぐらいよ――

第一客はそれで成功した。浜子はいい気もちそうに、

「おねえさん、いい文句があるじゃないの。まにあってます。――なーんて便利な言葉でしょう。まにあってまあす――これで間にあわせるのよ。」

音枝の伸子かいを手つだいながら浜子はころころと笑う。

若い女の笑い声にさそわれでもしたように、庭の切戸を押してひとりの老婆がはいってきた。

「こんにちは、奥さん。」

「はい、なんですか。」

浜子が奥さんになって相手をする。

「あのう、おぼしめしで、いかがでしょうね。」

さすがの浜子もちょっと戸まどいして、

「おぼしめし? それ、なんですの。」

老婆は歯のない口もとをかた手でかくし、ほっほっと笑い、

「ね、わたしが歌いますからね、奥さんがおぼしめしをくださるのよ。」

「あ、おぼしめしって、歌ですか。