Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
出てくると老人はもういず、浜子がけげんな顔で、
「ね、あれ、なあに。」
浜子はほんとに知らなかったらしい。音枝が説明するとはじめてわかって、
「いやだあ、便器っていえばいいのにさ、あさがおなんてしゃれてみたり――」
そしてわあっと笑った。しかしとにかく浜子の無邪気さが勝利をしめて、その日一日音枝は思い出し笑いをした。そんな無邪気な浜子なのに……。
四百八十円(タクシー)
もう終電もすみ、一時に近かった。そわそわしている音枝の気も知らず、文吉も浜子もまだ帰ってこないのだ。文吉だけなら毎度のことで平気だったが、もしも浜子が一しょだったらと音枝は気が気でない。母に知らせたくないのだ。母の気づかぬうちに帰ってさえくれば、この前のように父がひとりで帰ったような顔もできるが、こうおそくては心配でならない。父を信じている音枝は、まさか文吉と浜子の間に何かあるなどとは思わないが、疑ってみるとすれば思いあたることはいくらでも出てくる。このごろの浜子は、よく文吉に甘えかかる。
「ねえ、おじさん、おじさんの会社がだめならさ、おじさん個人の秘書にしてよ。そうしてるうちに仕事、きっとみつけるわ。