Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
夏樹のねている部屋で、おそいはずの文吉や安江の帰りをまちながら、例によってくつ下のつくろいをしていた音枝のうしろで、すうっとひかれるふすまの音に、彼女はぞうっとしながらふりかえった。浜子だった。
「おどろいた。玄関あいたの、ちっとも気がつかなかったわ。」
音枝の声はふるえていた。夏樹とふたりの夜など音枝の神経は少し異常になっているらしい。玄関番のようなかっこうの進君の存在に安心して安江たちは出かけるらしいのだが、このごろはその進君がこわかったりする音枝である。
「ほんとにびっくりした。玄関のベル、全然きこえないんだもの。」
すると浜子はにやっとして、
「だって、しかられるんだもの。おばさんも、おねえさんも、おっかないんだ、このごろ。」
「それにしたって極端よ。まるで泥棒みたい。」
むっとしてみせると、
「だって、おばさんにきこえると――」
「いませんよ今夜は。Kさんの出版記念会なの。どうせ気のあった連中と一しょだから、おそいわよ、帰りは。」
やっと落ちつきをとりもどした音枝の肩に、浜子は突然すがりついて、ゆさぶりながら、
「あらあ、くやしいわ。わたし、一ぺんそんな会にいきたかったのよ。