Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
それを知っていていつも食事時の不きげんをたしなめる安江が、きょうは腐ったかぼちゃのように、むくれた顔をしているのだ。一ぜん食べたきりでおかわりもしないで、彼女はもっそりとみんなの終るのをまっていた。見ていないような様子で彼女はじっと冬太郎をみている。そんな母をこわがりながら、楽しくない夕食をすませた冬太郎は、はしをおくと、いたたまらないようにさっと腰をうかせ、
「ごちそうさまあ。」
立ちあがろうとするのを押えるように、安江はきびしい声で、
「冬太郎!」
「はい。」
「ちょっとおすわり。」
「はい。」
冬太郎は思わずすわり直し、まっすぐ母をみた。
しかし安江は、そばにけげんな顔をした夏樹のいるのに思いをめぐらしたのか、急にきげんを少しとり直した様子で、
「ま、いいよ。どうでもいいこった。またにしよう。」
そういって自分から先に立ち上り、食卓をはなれた。いつもなら、ちぇっ、とかなんとかいう冬太郎も、きょうはだまってそのうしろ姿をみおくった。安江の足音は自分の部屋へはゆかずに、やがて応接間のドアをノックするのがきこえた。ははあと思っている音枝に、
「どうしたの。」
と、冬太郎の声は小さい。