Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

ひきょうな人間はみんな出ていってもらいたいわ。」

すると進君は、殊勝らしくうつむいていた顔を、前髪がゆらぐほど力をこめてふり上げ、憎しみをさえこめていい放った。

「おじさんや冬太郎君もですか。」

安江はかあっと血の上るのをおさえながら、

「おじさん? うちのおじさんや冬太郎もひきょう者だというの? そんなこというあんたを、ひきょう者だというのよ。人の弱点につけこんで、なんですか、みっともない。出てってちょうだい。」

「居住権があります。」

開きなおった進君にあきれながらも、そうなると安江も皮肉になった。わざと声をおとして、

「居住権ねえ。へえ、そんな重宝なものがあるの知らなかった。やっぱり、大学はゆくものね。ああそうか、あんた法科ね。弁護士になるんでしたね。弁護士さんは、家主側からたのむことだってあるんじゃない? 家主の権利なんてのは、どうなの。まる七年間、家賃をとらなかったってことは、権利放棄になるんですか。ついでにそれも考えといてね――」

安江はそれを、わざと気軽そうにいって進君の部屋を出たのだった。ドアをしめたとたんに、さっきよりももっと重い石を、もう一つ抱かされたような気がしていた。