Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
びっくりするほどの元気さで、突然母性のとびらをたたかれたのだ。
「うごいたのよ。ああおどろいた。――おふくろしっかりしなって、いってるみたいね。」
そんな浜子の近況も知らせがてら安江の意見も聞こうとて、浜子の荷物をうけとりにいったのだったが、いろんな騒ぎがあったともしらず、家へ帰って浜子の顔をみるなり、兵六さんは、
「中野は、だあれもいやしないんだよ。」
と、がっかりした声でいった。
ある期待をもって兵六さんの帰りをまっていた浜子もがっかりして、
「あら。音枝さんまで?」
「ああ、夏樹ひとりさ。昔っからのん気な家だったからな。しかし、夏樹ちゃんでもいたからよかったよ。荷物だけはもらえたもの。」
車の底の物入れからトランクをとり出すと、浜子はそれをうけとりながら、
「これは急がなかったけど、まあいいわ。」
「まだあるんかね。」
「あら。」
「それだけしか、もらってこないよ。」
「いやだ。これ、冬のオーバーや毛糸のセーターばっかりよ。」
「困ったね。じゃあ、あしたでも、またとりにいくか。」
「しようがないわ。わたし、手紙かく。何だかめんどくさくて書かなかったけどさ、ここにおちつくとなると、だまっているわけにはいかないわよ。