Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
――おれを馬鹿だと思ってるんだよ。ま、いいさ。人間の一生なんて、どこにどんでんがえしが仕組まれているかわからないんだからね。おれはおれひとりで、なにくそ! っていうくそをたれるよ。……
女房の安江とても同じだった。例をあげると、昔、二つ年下の文吉のところへ押しかけ女房でやってきたとき、同郷の鷲兵六などはせせら笑ったものだ。
――文吉つぁんは文学をやるんだって。悪いこといわんよお安さん。そいつは末の見込みがないぞ。悪いことはいわん。一そのこと今のうちに別れた方がいいよ。……
自分だって昔はかけ落ちまでしたくせにと、安江はそのとき腹を立てたが、そのころの兵六さんは全盛で、何かにつけてたよらねばならない立場にあった。家を借りるといっては保証人になってもらい、月賦でたんすを買ったといってはまた保証人、といった具合で、少々の失礼ぐらいはがまんをせねばならなかった。とはいえ、たかが証文の判こ一つを、彼の若い妻は精一ぱいに恩にきせ、なんだかだと渋くって二度も三度も足を運ばせた。それ以上のことは何一つ力になってもらってはいない。借金したいと思ってもいつも予防線をはってよせつけないくせに、貧しい安江がきたなくてならない顔をするのだ。