Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
兵六さんの妻が肺炎でなくなったりしたためでもある。兵六さんはすぐに後ぞいをもらい、やがて女の子が生れた。もう人の子になどかまっていられない様子で、よりつかなくなった。さわらぬ神にたたりなしと安江たちに子供ができないのをひそかに喜んでいるのかもしれない。安江たちにしても兵六さんのことなど忘れている日々の方が多かった。安江は世の常の母らしく音枝のそい寝をしながら、話をしてやるのだ。
「――『ひょうたんよう、ひょうたんよ、あーかい顔してどこへいく』っていったらばね、ひょうたんがひょっくりことこっちをむいてね、ニッコリ笑ってね、『お花見に』っていったのよ。『花見にいってなにをする』っていったらばね、『酒をのむ』っていったの。『なんぼのむ』って聞いたらばね、さ、どういったの?」
すると何度も聞いて知っている音枝はまちかまえていて、
「――一ちょうごごう(一升五合)のむっていったの。」
と、まわらぬ口で答える。うぐいすのいせまいりの話もあった。伊勢の的矢の日和山の話も出てきた。それらの話はみな安江が幼いときに祖母から聞かされた話であった。話というよりもそれは一種のひな歌であった。