Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

少し損だけど、母の名においてがまんしてもらうことにしたの。」

音枝のおしゃべりでいつかきげんがなおっていた安江は、

「ところで、いったい、その奇特なお方はだれだい?」

「それがね。」

音枝はにやっとして左手をふりながら、

「ギッチョのおじさんよ。」

安江は思わずまゆ根をよせ、

「兵六さん?」

いつか有楽町のホームで出あったときの長坂のうわさが急に思い出された。それを音枝には話さなかったのだ。しかしそのことについて音枝はなにも聞かなかったらしい。かげりのない顔つきで、

「兵六おじさんて、愉快ね。二号さんがいるんだって。大自慢なの。お金がもうかってしようがないんだってよ。」

「へえ。やっぱり、電気の方でかい。」

「んんーん。もっぱらこんなものらしいわ。」

と、音枝は干パンを一つ口にほうりこんで、

「こんなのうんと持ってるんだってよ。大きな食糧倉庫に一ぱいつまってるんだって。」

文吉が笑いだし、もったいなそうに吸いさしの外国タバコの火を消しながら、

「兵六さん、相変らず話だけは大きいね。どこの倉庫か、はっきり聞いたかい。」

「そうよ。音枝はまたバカっつらして、木に餅がなるような話ばっかり聞かされたんだろ。