Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
映画館なんかへきていかれるの、いやなのよ。」
しかしそんなことぐらいで引きさがる浜子ではない。
「じゃあ映画みないわきょう。わたし、高校の時の友だちにあいにゆく。あっといわしてやりたいの。」
「じゃあ、とにかく母に相談してみる。」
いいところへ気がついて立ちかかる音枝に、浜子はいち早くむしゃぶりついて、
「よして、音枝さん、おばさんにいわないで。ね、大事に着るからさ。ね、一時間だけ。それならいいでしょ。――三十分でもいい。十分でもいいわ。それもだめだなら、ここで着てみるだけ。身に合うかどうか見さしてよ。」
それでもとは音枝もいいかねた。あのスーツがそんなに浜子の気に入ったのかと思うと悪い気もしなかったのだ。浜子はすぐ音枝の部屋からスーツの箱をとり出してきて、にこにこしながらスカートをはきはじめた。
「いいわね。ついでにブラウスもかりよう。」
苦笑している音枝にはおかまいなく、勝手にブラウスを着かえてきて音枝の前に立ち、
「ほら、素敵でしょ。わたしの勘て相当ね。ぴったりよ。」
だがそれは浜子の勘のよさではなかった。音枝の留守の間に浜子は勝手に洋だんすをあけて、目ぼしい服をみんな着てみたのである。