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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのうえのしも

雪の上の霜

山本 周五郎

Lesen Sie 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.586 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、世の中というものはむずかしいもので、こんどはべつの方面から、ぐあいの悪いことが起こってきた。というのは、街道の馬子や駕籠舁きたちが、いやな眼でじろじろ見たり、皮肉なようなことを云ったりする。

――もともと客の少ない街道で、こう稼ぎ手が多くてはやりきれない、これでは共食いである。

――だいたい建場に籍のない人間が、この街道で稼ぐというのは違法ではないか。

そんなふうなことを云うのである。

初めのうち伊兵衛は気づかなかった。彼のめあては、馬や駕籠に乗るほどでない客、ちょいとした荷物が面倒になったという客で、他人の稼ぎを横取りするとは思われない、ほんのおこぼれを貰っていると思っていたからである。しかしちかごろになって、ようやく、それが自分に対する当てこすりだ、ということがわかってきた。

――これは困ったことになった。

そう気がついたが、それにしてもやはり、かれらの邪魔になるほどのこととは思えないし、せっかくとりついた仕事なので、できるだけ控えめにしながら、続けてゆくよりしかたがなかった。

二月中旬のよく晴れた日のことであった。

午前ちゅうに客が二人あり、ひる飯を喰べるとすぐに、また一人、商人ふうの客があった。