Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねん
青年
Lesen Sie 青年 (せいねん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.670 Zeichen · 246 Bildschirme
支度をして待っていた純一は、瀬戸と一しょに出て、上野公園の冬木立の間を抜けて、広小路で電車に乗った。
須田町で九段両国の電車に乗り換えると、不格好な外套を被て、この頃見馴れない山高帽を被った、酒飲みらしい老人の、腰を掛けている前へ行って、瀬戸がお辞儀をして、「これからお出掛ですか、わたくしも参るところで」と云っている。
瀬戸は純一を直ぐにその老人に紹介した。老人はY県出身の漢学者で、高山先生という人であった。美術学校では、岡倉時代からいろいろな学者に、科外講義に出て貰って、講義録を出版している。高山先生もその講義に来たとき、同県人の生徒だというので、瀬戸は近附きになったのである。
高山先生は宮内庁に勤めている。漢学者で仏典も精しい。完白風の篆書を書く。漢文が出来て、Y県人の碑銘を多く撰んでいる。純一も名は聞いていたのである。
暫くして電車が透いたので、純一は瀬戸と並んで腰を掛けた。
瀬戸は純一に小声で云った。「あの先生はあれでなかなか剽軽な先生だよ。漢学はしていても、通人なのだからね」
純一は先生が幅広な、夷三郎めいた顔をして、女にふざける有様を想像して笑いたくなるのを我慢して、澄ました顔をしていた。