Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねん
青年
Lesen Sie 青年 (せいねん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.670 Zeichen · 246 Bildschirme
手には徳利を持っている。
「あなた、お熱いところを」と、徳利を金鎖の親爺の前へ、つと差し出した。
親爺は酒を注がせながら、女の顔をうるさく見て、「お前の名はなんと云うのだい」と問う。
「おちゃら」と返事をしたが、その返事には愛敬笑も伴っていない。そんならと云って、さっきの婆あさんのように、人を馬鹿にしたと云う調子でもない。おちゃらの顔の気象は純然たる calme が支配している。無風である。
純一は横からこの女を見ている。極若い。この間までお酌という雛でいたのが、ようよう drue になったのであろう。細面の頬にも鼻にも、天然らしい一抹の薄紅が漲っている。涼しい目の瞳に横から見れば緑色の反射がある。着物は落ち着いた色の、上着と下着とが濃淡を殊にしていると云う事だけ、純一が観察した。藤鼠、色変りの織縮緬に、唐織お召の丸帯をしていたのである。帯上げは上に、腰帯は下に、帯を中にして二つの併行線を劃した緋と、折り返して据わった裾に、三角形をなしている襦袢の緋とが、先ずひどく目を刺戟する。
純一が肴を荒しながら向うをちょいちょい見ると、女の方でも小さい煙管で煙草を飲みながらこっちをちょいちょい見る。