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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねん

青年

森 鴎外

Lesen Sie 青年 (せいねん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.670 Zeichen · 246 Bildschirme

Aozora Bunko

酒屋や青物屋の賑やかな店に交って、商売柄でか、綺麗に障子を張った表具屋の、ひっそりした家もある。どれを見ても、年の改まる用意に、幾らかの潤飾を加えて、店に立ち働いている人さえ、常に無い活気を帯びている。

この町の北側に、間口の狭い古道具屋が一軒ある。谷中は寺の多い処だからでもあろうか、朱漆の所々に残っている木魚や、胡粉の剥げた木像が、古金と数の揃わない茶碗小皿との間に並べてある。天井からは鰐口や磬が枯れた釣荵と一しょに下がっている。

純一はいつも通る度に、ちょいとこの店を覗いて過ぎる。掘り出し物をしようとして、骨董店の前に足を留める、老人の心持と違うことは云うまでもない。純一の覗くのは、或る一種の好奇心である。国の土蔵の一つに、がらくた道具ばかり這入っているのがある。何に使ったものか、見慣れない器、闕け損じて何の片割れとも知れない金屑や木の切れがある。純一は小さい時、終日その中に這入って、何を捜すとなしにそのがらくたを掻き交ぜていたことがある。亡くなった母が食事の時、純一がいないというので、捜してその蔵まで来て、驚きの目をったことを覚えている。

この古道具屋を覗くのは、あの時の心持の名残である。