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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひじょうのあい

非情の愛

豊島 与志雄

Lesen Sie 非情の愛 (ひじょうのあい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.831 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

波多野と私はもうだいぶ酔っていたが、彼もその仲間に早く加わりたがってるかのように、ウイスキーのグラスを取りあげた。

彼は私たちの問いには答えず、妙なことを波多野に尋ねた。

「君は金を一包み届けたが、あれに、名前を書いたか。僕の名前を書いたか。」

波多野は眼を丸くした。

「照顕さまのことか。勿論、書かないよ。君の名前も書かないよ。」

「それはよかった。」

そして秦はたて続けに酒を飲んで、言った。

「あれは、結局、精神的なものでなく、神経的なものだ。神経にすぎない。そのため、僕は少し悩まされた。」

無理にそう言ってるようなふしがないでもなかった。そして彼はまた考えこんだが、やがて話しだした。――私が前に述べたところは、その時聞いたことやその後に聞いたことを綴り合せたものである。

然し、彼の話は中断された。魚住千枝子が戻って来たのである。

千枝子は心持ち蒼ざめた顔をしていた。そして落着き払っていた。

「僕は驚嘆しました。」と秦は彼女に言葉を向けた。「あなたは実に平然としていました。全く平然としていました。」

「あら、そうでしたかしら。」

そして彼女は一抹の微笑を浮べた。