Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おんぱのさつじん

音波の殺人

野村 胡堂

Lesen Sie 音波の殺人 (おんぱのさつじん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.399 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

「その代りヒドイ目に逢ったぜ、ろくに寝ないのは我慢するとして、あの家を出て来ると、他社の連中の包囲攻撃だ、袋叩にされなかったのは見付ものさ」

千種十次郎と早坂勇は、翌る日の午前九時には、もう関東新報の編輯局で顔を合せて居たのでした。

「まあ、愚痴を言うな、特別賞与ものだよ、今度と言う今度は、洋服屋へ三年越の月賦が払えるだろう」

「特賞を月賦に廻す奴があるものか、月賦は三年遅れても月賦さ」

「呆れた野郎だ、ところで、材料は?」

「お願いだから今日の夕刊は俺に一頁書かしてくれ」

「大きく出やがったな」

「もう一つ特賞を貰って、家を建てる」

「馬鹿だなア」

「アパートから追い立てを食ってるんだ」

「ところで、鳥子が自白したのか」

千種十次郎は漸く話を線路へ戻しました。

「知らぬ存ぜぬ――さ、廊下に立って居たには相違ないが、それは夫と若菜が連弾して居るのが気になったからで、殺す積りは毛頭無かったと言うんだ」

「拳銃は誰のだ」

「若菜の持物だ、近頃収入が多いので、街の紳士やギャング達に悩まされ、大骨折で許可願が通って、この秋買ったんだ相だ。尤も夏鎌倉でさらわれてうんと絞られた事があるんで其筋でも携帯を許可したらしい、人気歌手も楽じゃないね」