Japanische Klassiker mit Furigana
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おんぱのさつじん
音波の殺人
野村 胡堂
Lesen Sie 音波の殺人 (おんぱのさつじん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.399 Zeichen · 30 Bildschirme
「でも、この窓枠には、縄梯子の鉤を掛けた跡がありますよ博士」
「――――」
「八寸ばかりの距離で、二つの爪の跡これは、間違いもなく縄梯子の跡だ、――向うの家の三角戸棚の側の窓にも、あれと同じ跡があった」
「えッ」
驚いたのは博士ばかりではありません、早坂勇さえも愕然として、窓枠の方へ飛付いたほどです。
「それはどう言う意味だ、千種君とか言ったね、君は?」
「何んでもありません。窓枠の傷跡は、ナイフでも付けられます。人を陥れるには、この上もない手段ではありませんか」
「――――」
「縄梯子さえ見付からなければ、これは証拠になりません、でも」
「――――」
「クリーム色のペンキの付いた手袋が見付かっても、立派な証拠になりますね」
「それは何んの意味だ」
博士は吃となりました。
「それに、この機械は先刻から見て居ると、何んの調節もしなくとも、自動的にいろいろ音を変えますね――婆やさんが機械の音が規則的に変るのを知らないなら、博士が此処に付いて操作して居ると思い込んだのも無理もありません――誰も知らない機械だけに、立派なアリバイを拵えてくれますね」
「――――」
「灯をうんと明るくして居るのも、逆に効果をあげますね、こんな明るい部屋の窓から、人間が忍び出ようとは誰も思わない、カーテンを一枚下しさえすれば、其窓でどんな事でも出来るんですから