Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃべりすぎる
饒舌りすぎる
山本 周五郎
Lesen Sie 饒舌りすぎる (しゃべりすぎる) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.957 Zeichen · 55 Bildschirme
四
四
当時、長島藩では治水工事に関して面倒な事件が起こり、普請、材木、勘定の三奉行と重職とのあいだに、三年越しの吟味が行われていた。――工事は芝野川と久呂川との合流点に、水量を調節するための二重水門を造る計画で、もう七年もまえから着手されたのだが、出水のために二度失敗したうえ、計上費や用材の不正が発見され、その責任問題がやかましくなっていた。
だからといって、家中ぜんぶがその紛争に関係しているわけではない。工事の担当者とか、吟味に当る役人や重職のほかは、平常と変りのない生活をしていた。土田の属する記録所は、役目の性質から多少は事務が煩雑になり、ときには下城が一刻もおくれることなどもあったが、吟味事件そのものにはむろんかかわりはなかった。
十太夫の無沙汰はさらに十日ちかくも続き、それから或る日、例のように突然、稽古着のままとびこんで来た。
「今日はいっしょに帰ろう」と十太夫は片手で額の汗を拭きながらどなった、「久しぶりで一杯やろう、いいな」
下役の者たちは忍び笑いをし、仕切の襖をあけて加地頭取が覗いた。十太夫はそんなことは眼にも入れず、とぶようにして出ていったが、またすぐに戻って来た。