Japanische Klassiker mit Furigana
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たかおざんげ
高尾ざんげ
豊島 与志雄
Lesen Sie 高尾ざんげ (たかおざんげ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.252 Zeichen · 21 Bildschirme
終戦後、その秋から翌年へかけて、檜山啓三は荒れている、というのが知人間の定評でありました。彼が関係してる私立大学では、十月から授業を開始しましたが、彼は一回も講義をしませんでした。家庭では、習慣的に書斎に籠ることが多かったようですが、家人の言うところに依りますと、殆んど読書はせず、漫然と画集を眺めたり、座布団を二つに折って枕とし、朝からうとうと眠ったりして、そしてやたらに煙草ばかりふかしてるそうでした。来客に対しては、すべて無口で不愛想でした。もっとも、それらのことだけでは別に問題ではありませんが、彼はひどく酒に耽溺して、その先が荒れるのでした。日本酒やビールに酔ってくると、あとはウイスキーをあおりました。彼がいつも飲みに行く新橋花柳地区の杉茂登には、二箱ばかりのサントリーが預けてあるとの噂もありましたが、真偽のほどは分りかねます。酔っぱらってからの彼は、ひどく怒りっぽくて、友人たちに対しても女たちに対しても、些細なことで突っかかっていきました。それも、相手に向ってではなく、自分自身に向って腹を立ててるような調子でした。或る時、突然席を立って帰りかけ二階から階段を逆様に匐い降りたことがありました。