Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖 (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.957 Zeichen · 114 Bildschirme
その揚句に、いよいよろれつの廻らぬ舌で、
「だ、だから、貴公たちもすこし大きな慾を、か、か、かいたらどんなものでござる。……女! あはははは……女なんテ、ウーイ、女なんテ、ありゃ、男が畢生の力をぶち込むものにはなりませんぞ。うふふふふ……ウソとお考えなさるなら、お十夜殿、アイヤ周馬先生、ど、ど、堂島へ出て、万金を賭して相場をやってごらんなさい。お、お綱だッて、お千絵様のことだッて頭から消えてしまう。イヤ、当然に消えてしまう!」
と、天堂一角、怖ろしく自信をもって、また珍らしくグデングデンに酔って、八戒のように寝てしまった。
だが、そんな酔いどれの哲学に頓着なく、お十夜は、座の目ぼしい女をさらっていつのまにか別間へかくれ、周馬もそれに習って、お千絵様を夢みながら、お千絵様とは似もつかぬ飯盛と旅のふすまをひッかついだ。
翌朝は、三人とも元気に肩を並べて、霞の晴れるまに大門峠を越え、和田村をすぎて、やがて午少し過ぎには、和田の大峠をのぼりつめた。
佐平治茶屋で支度をすまして、やおら、立ち上がって日ざしをみた。まだ七刻にはかなり間がある。諏訪泊りには楽な時間。