Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たそがれ

黄昏

宮本 百合子

Lesen Sie 黄昏 (たそがれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.500 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

傍で、のぶ子は、炊事の区切りを待っていた。言葉に出しては気もなさそうに云う母親が、しんではどの位、姉のことも自分のことも心にかけているのが、知らない風を装っても現れる、老人らしい周章(あわて)かたが、彼女には、いじらしく、また憐れに感じられるのである。

丁度そこへ、境の襖が開(あ)いた。

母娘(おやこ)が顔を揃えて振向く拍子に、

「どう?」

と云いながら、主婦の米子が出て来た。片手に何か小さい壺蓋物を持ち彼女は何心なく台所の様子を見に来たのに違いなかった。黒っぽいおくめの体の陰に、半ば咲きこぼれたようなにぎやかなのぶ子の姿を見ると、彼女は、

「まあ、貴女が来ていたの」

と他意ない調子で驚を示した。

「さっきから、何だか人の声がすると思ったら――」

嫣々(にこにこ)して母娘を見較べる米子に、おくめは、心持身を開いて娘を引き合わせるようにしながら、

「麹町から用があるとかいって、参りましたものですから……」

と云った。後について、のぶ子はつつましく、

「まことに相すみませんが、一寸お暇がいただけますでしょうか、急な用があるというものでございますから」

と、主意を明かにした。