Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
事実この事件とは、異常に隔絶した対照をなしているからであった。それなので、紆余曲折をたどたどしく辿って行って、最初からの経過を吟味してみても、だいたい乾板などという感光物質によって、標章形象化される個所は勿論のことだが、それに投射し暗喩するような、連字符一つさえ見出されないのである。それがもし、実際に犯罪行動と関係あるものなら、恐らく神業であるかもしれない。こうして、しばらく死んだような沈黙が続いた。その間召使が炉に松薪を投げ入れ、室内が仄かり暖まってくると、法水は焔の舌を見やりながら、微かに嘆息した。
「ああ、まるで恐竜の卵じゃないか」
「だが、いったい何に必要だったのだろう?」と検事は法水の強喩法を平易に述べた。そして、開閉器を捻ると、
「まさか撮影用じゃあるまいが」と熊城は、不意の明るさに眼を瞬きながら、「いや、死霊は事実かもしれん。第一、易介が目撃したそうだが、昨夜神意審問会の最中に、隣室の張出縁で何者かが動いていて、その人影が地上に何か落したと云うそうじゃないか。しかも、その時七人のうちで室を出たものはなかったのだ。だいたい階下の窓から落されたものなら、こんなに細かく割れる気遣いはないよ」