Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
帰国の船中蘭貢で投身したと云われる威人の建築技師が、この不思議な事件にも何か関係を持っているのではないのだろうか。しかし法水が、最初から死者の世界にも、詮索を怠らなかったことは、さすがに烱眼であると云えよう。
鎮子が原譜を探している間、法水は書架に眼を馳せて、降矢木の驚嘆すべき収蔵書を一々記憶に止めることが出来た。それが、黒死館において精神生活の全部を占めるものであることは云うまでもないが、あるいはこの書庫のどこかに、底知れない神秘的な事件の、根源をなすものが潜んでいないとも限らないのである。法水は背文字を敏速く追うていって、しばらくの間、紙と革のいきれるような匂いの中で陶酔していた。
一六七六年(ストラスブルグ)版のプリニウス「万有史」の三十冊と、古代百科辞典の対として「ライデン古文書」が、まず法水に嘆声を発せしめた。続いてソラヌスの「使者神指杖」をはじめ、ウルブリッジ、ロスリン、ロンドレイ等の中世医書から、バーコー、アルノウ、アグリッパ等の記号語使用の錬金薬学書、本邦では、永田知足斎、杉田玄伯、南陽原等の蘭書釈刻をはじめ、古代支那では、隋の「経籍志」