Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
ただそういった記録だけを残したままで、算哲様は、そっくりの秘密を墓場の中へ運ばれてしまうのです」
「ああ、ロエブみたいなことを……」と法水は、道化たような嘆息をしたが、「いま貴方は、あの人達の厭人癖を植物向転性みたいにお考えでしたね。しかし、たぶんそれは、単位の悲劇なんでしょう」
「単位? 無論四重奏団としては、一団をなしておられたでしょうが」と真斎は単位と云った法水の言葉に、深遠な意義が潜んでいるのを知らなかった。「ところで、あの方々とお会いになられましたかな。どなたも冷厳なストイシャンです。よしんば傲慢や冷酷はあっても、あれほど整美された人格が、真性の孤独以外に求められようとは思われませんな。ですから、日常生活では、たいしてお互いが親密だと云うほどでもなく、若い頃にも密接した生活にかかわらず、いっこう恋愛沙汰など起らなかったのでしたよ。もっとも、お互いに接近しようとする意識のないせいもあるでしょうが、感情の衝突などということは、あの一団にも、また異人種の吾々に対しても、かつて見たことがないというほどですのじゃ。とにかく、やはり算哲様でしょうかな――あの四人の方々が、一番親愛の情を感じていた人物と云えば」