Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme

Aozora Bunko

かえって私は、鎧通し――という重大な要点に、貴方がたの法律的審問を要求したいのです。いいえ、私自身でさえ、自身が類似的には犯人だと信じているくらいですわ。それに、今日の事件だってそうですわ。あの赤毛の猿猴公が射られた狩猟風景にだっても、私だけには、不在証明というものがございませんものね」

「それは、どういう意味なんです? いま貴女は、赤毛の猿猴公と云われましたね」と検事は注意深そうな眼をして聴き咎めたが、秘かに心中では、案外この娘は年齢の割合に手強いぞ――と思った。

「それが、また厳粛な問題なんですわ」伸子は口辺を歪めて、妙に思わせぶりな身振をしたが、額には膏汗を浮かせていて、そこから、内心の葛藤が透いて見えるように思われる。いかに、絶望から切り抜けようといているか――すでに伸子は、渾身の精力を使い尽していて、その疲労の色は、重たげな瞼の動きに窺われるのだった。しかし、彼女はズケズケと云い放った。「だいたいクリヴォフ様が殺されようたっても、悲しむような人間は一人もいないでしょうからね。ほんとうに、生きていられるよりも殺されてくれた方が……。その方がどんなに増しだと思っている人は、それは沢山あるだろうと思いますわ」