Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme

Aozora Bunko

レヴェズさん、その二つを兼ね具えたものと云えば、まず貴方以外にはないのですよ」とにわかに酷烈な調子となって、法水の全身が、メラメラ立ち上る焔のようなものに包まれてしまった。「勿論ダンネベルグ夫人は他界の人ですし、伸子もそれを口に出す道理はありません。しかし、事件の最初の夜、伸子が花瓶を壊した際に、たしか貴方はあの室にお出でになりましたね」

レヴェズは思わず愕然として、肱掛を握った片手が怪しくも慄え出した。

「それでは、儂が伸子に愛を求めたのを発見されたために、持分を失うまいとして、グレーテさんを殺したのだ――と。莫迦な、それは貴方の自分勝手な好尚だ。貴方は、歪んだ空想のために、常軌を逸しとるのです」

「ところがレヴェズさん、その解式と云うのは、貴方が再三打衝って御存じのはずですがね。そこにあるは薔薇なりその辺りに鳥の声は絶えて響かず――つまり、レナウの『秋の心』の一節なんですから」と法水は、静かな洗煉された調子で、彼の実証法を述べるのだった。

「ところで、今となれば御気づきでしょうが、僕は事件の関係者を映す心像鏡として、実は詩を用いました。そして、数多の象徴を打ち撒けておいたのです。