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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろネクタイぐみのましゅ

黒襟飾組の魔手

山本 周五郎

Lesen Sie 黒襟飾組の魔手 (くろネクタイぐみのましゅ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.299 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

そう云われると、拳骨壮太は頭を掻いて恐縮した。

「ところで、今夜どうしても君に力を借して貰いたい事が起ったのだが、どうだろう」

「ええ、ようござんすとも。私にゃ学問のことは分らねえが、鬼の一疋や二疋ぶち殺す役ならいつでも引受けますよ」

大きな拳骨を振り廻して見せる、龍介は笑って、

「よし※(感嘆符二つ、1-8-75) じゃあまあ夕飯を一緒に食べながら話をしよう、出掛けるのは夜中だから」

そして龍介は夕食を壮太と共に食べながら、何事かひそひそ話しこんだ。

二人が家を出たのは夜中の十二時、歩いて若林子爵邸の裏へまわると、反対側の邸の黒板塀の蔭へ、二人ともぴったりと身をよせた。

「さあ壮太君、この香水を顔や足に塗りたまえ、蚊に喰われて物音でも立てると鬼は逃げてしまうからね」

壮太はわたされた香水を塗って、ほとんど地面に跼みながら待っていた。十分――二十分。

「一時だ」龍介が腕時計を見て呟いた。それから又十分――二十分。と――突然龍介が、ひくく「そら来た!」と囁いた。

指示す方を見ると、子爵邸の中から、塀を乗越えて出てきた怪しの人影! しばらく四辺を見まわしていたが、やがてひらりと通りへ跳びおりた。