Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lee 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 262.120 caracteres · 516 pantallas
けれども外れた見込みは、遠くもないところで遂げられそうな自信をもっているらしい。七兵衛は、百蔵を引き立て、その方へ急ごうとすると、がんりきはなぜか、あんまり進まない面をして、
「普請場とやらへは、兄貴一人で行っちゃあもれえめえか」
「ナニ、おれに一人でやれというのか」
「俺らは、どうもそっちの方は気が進まねえことがあるんだ」
「ハテな」
「実は、扇屋でいま見つけ物をして来たから、その方が心がかりになって、金なんぞはあんまり欲しくもなくなったのさ」
「おやおや」
「そういうわけだから、兄貴一人で普請場へ行って当座の稼ぎをして来てくんねえ、俺らは俺らで自前の仕事をしてみてえんだ」
「この野郎、扇屋の女中部屋の寝像にでも見恍れて、またよくねえ了見を出したとみえるな、世話の焼けた野郎だ」
「まあ、いいから任しておいてくれ、兄貴は兄貴で兵糧方を持ってもらいてえ、俺らは俺らで、これ見たかということを別にして見せるんだ」
「また、笹子峠のように遣り損なって泣面をかかねえものだ」
「ナニ、あの時だって、まんざら遣り損なったというものでもねえのさ、それにあの時は相手が相手だけれど、今夜のは、たった一人ほうりっぱなしにしてあるのだから、袋の中の物を持って来るようなものだ」