Clásicos japoneses con furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lee 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 173.309 caracteres · 352 pantallas
なるべく、此家で時をつぶしていようと、清吉は銚子を代えたが、手酌となるとすぐ酔ってしまった。
ごろりと横になった。
葉桜がどこかで風になっている。ここの風にはじっとりと潮気があった。若い手足をのびのび投げて吹かせていると、
だまされて いるのが遊び
なかなかに
騙すそなたの 手のうまさ
水鶏啼く夜の
酒の味……
近所の窓から洩れる忍び駒が、熱い耳朶へ、冷んやりと流れこんでくる。
「ここらが辰巳の遊びの味というものかしらて?」
だが清吉は――例えば大きな博奕を賭っているように結果が待たれた。黒と出るか白と出るか、その結果のわかるまが値打物とは思うが、やはり秀八にこのまま打っ捨りを喰えば嗤われた揚句まる損だし、約束した通りに行けば、金も生きるし、心意気も立つし、この先もう一苦労してもいい相手だから、ずいぶん安値いものにつくが……などと彼の頭はやはり、算盤とは縁が断ち切れなかった。
「まあ、お寝っているなら、掻巻でも持って来てさし上げましたのに。……お風邪を引きやしませんか」
金子の女中が上がって来て、彼の傍へ、用ありそうに坐った。
「なあに、寝ちゃあいないよ。いい気持であの水調子を聞き惚れていたのさ。