Clásicos japoneses con furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lee 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 188.242 caracteres · 380 pantallas
へ帰することである。そうして実に「大なる生命」は成就すべく流転して行く。そうして流転の途次において、二度三度否無限に「小なる生命」を産み育てる。死は単なる現象に過ぎない。死は罪を贖うことは出来ない。……
「そこであなたにお訊ねします」有髪の僧は庄三郎へ云った。
「人間鳥獣山川草木と、この広大な宇宙の中に、こういう差別のあることを不思議に思われはしませんかな?」
「ハイ、不思議に存じます」庄三郎は素直に云った。
「生命の活動の多少によって、そういう差別が出来るのです」
「活動の多少とおっしゃいますと?」
「生命が多く活動する物、それが生物でございます。生命が少しく活動する物、それが無生物でございます。そうして人間は生物の中で、特に最も生命の活動が著しい物でございます。したがって罪を犯すことも一番多いのでございます」
有髪の僧の言葉には犯し難い自信がこもっていた。
「だから人間は何物にも増して、懺悔しなければなりません。茨を背中に背負うことによって、一本の足で歩くことによって、日輪を直視することによって、十歩行っては八歩かえり、二十歩歩いては十九歩かえる、こういう困難な歩き方によって、その他さまざまの苦行によって、自分の肉身へ刑罰を加え、それによって懺悔心を起こすことも、人間には必要でございます。