Clásicos japoneses con furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lee 花も刀も (はなもかたなも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 89.364 caracteres · 178 pantallas
お豊は彼の手を片方で握ったまま、片方の手でやさしく愛撫した。お豊の手は熱くて、握り合わせたほうは、じっとり汗ばんでいた。
幹太郎の生国は陸前のくに桃生郡で、伊達家の領分に属してるのが好都合であった。
伊達家には北辰一刀流の千葉周作が出稽古をしているが、本邸と品川とに、常雇いの師範が置いてある。品川下屋敷には、佐藤市郎兵衛というのがいるが、もう年が六十七歳で、稽古にも精彩がなくなった。そこで、名目は佐藤の代師範ということで、扶持も三人扶持という低額なものであるが、佐藤はまもなく辞職するらしいし、そうなれば待遇もよくなる、仮にいちじ凌ぎとしてでもどうか、と平八にすすめられたのであった。
「よければ支度金も五両もらえるというので、おれは即座に承知して来た」
「よかったわね」と、お豊は云った。
「でもあたしは淋しいわ」
「どうして……」
「どうしてでも……ねえ」
お豊は「もう話をやめて寝ましょう」と云い、突然、力まかせに彼を引きよせた。
あんまりの突然だったので、幹太郎は彼女のほうへのめった。すると、お豊は両手で彼の躯に絡みつき、両方の手で彼の頸をはさんだ。そして、さらにすばやく、幹太郎の唇へぴったりと自分の唇を押しつけた。