Clásicos japoneses con furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lee 貞操問答 (ていそうもんどう) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 200.240 caracteres · 399 pantallas
七
」
「いいのよ。お母さん! お姉さんには、またお姉さんとしての考え方があるのよ。」
「だって、そりゃ――お前の決心を聴いたら、圭子だって、何というか分りませんよ。」
「私、話がきまってから、お姉さんに報告するわ。お姉さんはお姉さん、私は私だわ。じっとしていられない性分ですもの、つまり苦労性なのよ。私は、おおいに働くわ。」
七
それから、三時間ばかりの後に、新子は麹町元園町の前川邸の応接間にいた。
友達の訪れを、心待ちにしていたらしい令嬢の路子は、さっぱりした趣味のよいアフタヌーンを被て、新子を欣び迎えてくれた。
絹ばりの壁や、カーテンの快い色彩、置き棚や卓子の上に飾られた陶器や、青銅の置き物や、玻璃製の細工物などの趣向のこった並べ方が、その豊かな暮しを現して、すべてがゆったりと溶け合っていた。窓からは、手入のよく行き届いた庭の一部が眺められ、雨に咲いている、くちなしの強い甘い匂いが、ときどき、かすかにうっとりとするほど、部屋の中に揺れて来るのであった。
三、四年前までは、この家へ二、三度遊びに来たこともあり、こうした応接間の空気などにも、特別に感じ入りもしなかったのであるが、やや切端つまった就職者として来ているせいもあって、新子は何か不思議な圧迫を感じるのであった。