Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

みちくさ

道草

夏目 漱石

Lee 道草 (みちくさ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.812 caracteres · 293 pantallas

Aozora Bunko

「じゃいくら困っても助けてくれないというんですね」

「ええ、もう一文も上ません」

島田は立ち上った。沓脱へ下りて、開けた格子を締める時に、彼はまた振り返った。

「もう参上りませんから」

最後であるらしい言葉を一句遺した彼の眼は暗い中に輝やいた。健三は敷居の上に立って明らかにその眼を見下した。しかし彼はその輝きのうちに何らの凄さも怖ろしさもまた不気味さも認めなかった。彼自身の眸から出る怒りと不快とは優にそれらの襲撃を跳ね返すに充分であった。

細君は遠くから暗に健三の気色を窺った。

「一体どうしたんです」

「勝手にするが好いや」

「また御金でも呉れろって来たんですか」

「誰が遣るもんか」

細君は微笑しながら、そっと夫を眺めるような態度を見せた。

「あの御婆さんの方が細く長く続くからまだ安全ね」

「島田の方だって、これで片付くもんかね」

健三は吐き出すようにこういって、来るべき次の幕さえ頭の中に予想した。

九十一

同時に今まで眠っていた記憶も呼び覚まされずには済まなかった。彼は始めて新らしい世界に臨む人の鋭どい眼をもって、実家へ引き取られた遠い昔を鮮明かに眺めた。

実家の父に取っての健三は、小さな一個の邪魔物であった。