Clásicos japoneses con furigana
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みちくさ
道草
Lee 道草 (みちくさ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.812 caracteres · 293 pantallas
十
健三はさっさと頭から白襯衣を被って洋服に着換えたなり例刻に宅を出た。細君は何時もの通り帽子を持って夫を玄関まで送って来たが、この時の彼には、それがただ形式だけを重んずる女としか受取れなかったので、彼はなお厭な心持がした。
外ではしきりに悪感がした。舌が重々しくぱさついて、熱のある人のように身体全体が倦怠かった。彼は自分の脈を取って見て、その早いのに驚ろいた。指頭に触れるピンピンいう音が、秒を刻む袂時計の音と錯綜して、彼の耳に異様な節奏を伝えた。それでも彼は我慢して、するだけの仕事を外でした。
十
彼は例刻に宅へ帰った。洋服を着換える時、細君は何時もの通り、彼の不断着を持ったまま、彼の傍に立っていた。彼は不快な顔をしてそちらを向いた。
「床を取ってくれ。寐るんだ」
「はい」
細君は彼のいうがままに床を延べた。彼はすぐその中に入って寐た。彼は自分の風邪気の事を一口も細君にいわなかった。細君の方でも一向其所に注意していない様子を見せた。それで双方とも腹の中には不平があった。
健三が眼を塞いでうつらうつらしていると、細君が枕元へ来て彼の名を呼んだ。
「あなた御飯を召上がりますか」