Clásicos japoneses con furigana
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みちくさ
道草
Lee 道草 (みちくさ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.812 caracteres · 293 pantallas
「貴夫は不人情ね。自分一人好ければ構わない気なんだから」
何故子供の安危を自分より先に考えなかったかというのが細君の不平であった。咄嗟の衝動から起った自分の行為に対して、こんな批評を加えられようとは夢にも思っていなかった健三は驚ろいた。
「女にはああいう時でも子供の事が考えられるものかね」
「当り前ですわ」
健三は自分が如何にも不人情のような気がした。
しかし今の彼は我物顔に子供を抱いている細君を、かえって冷かに眺めた。
「訳の分らないものが、いくら束になったって仕様がない」
しばらくすると彼の思索がもっと広い区域にわたって、現在から遠い未来に延びた。
「今にその子供が大きくなって、御前から離れて行く時期が来るに極っている。御前は己と離れても、子供とさえ融け合って一つになっていれば、それで沢山だという気でいるらしいが、それは間違だ。今に見ろ」
書斎に落付いた時、彼の感想がまた急に科学的色彩を帯び出した。
「芭蕉に実が結ると翌年からその幹は枯れてしまう。竹も同じ事である。動物のうちには子を生むために生きているのか、死ぬために子を生むのか解らないものがいくらでもある。