Clásicos japoneses con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas
が、馭者はそれでは不足だと見えて、容易に出した手を引っこめない。のみならず口角泡を飛ばして、頻に何かまくし立てている。しかし村田君は知らん顔をして、ずんずん玄関へ上って行く。ジョオンズ、友住の両君も、やはり馭者の雄弁なぞは、一向問題にもしていないらしい。私はちょいとこの支那人に、気の毒なような心もちがした。が、多分これが上海では、流行なのだろうと思ったから、さっさと跡について戸の中へはいった。その時もう一度振返って見ると、馭者はもう何事もなかったように、恬然と馭者台に坐っている。その位なら、あんなに騒がなければ好いのに。
我々はすぐに薄暗い、その癖装飾はけばけばしい、妙な応接室へ案内された。成程これじゃ金玉均でなくても、いつ何時どんな窓の外から、ピストルの丸位は食わされるかも知れない。――そんな事を内々考えていると、其処へ勇ましい洋服着の主人が、スリッパアを鳴らしながら、気忙しそうにはいって来た。何でも村田君の話によると、このホテルを私の宿にしたのは、大阪の社の沢村君の考案によったものだそうである。処がこの精悍な主人は、芥川龍之介には宿を貸しても、万一暗殺された所が、得にはならないとでも思ったものか、玄関の前の部屋の外には、生憎明き間はごわせんと云う。