Clásicos japoneses con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas
十六 南国の美人(中)
額に劉海(前髪)が下っている所も、日本の少女と違わないらしい。その外胸には翡翠の蝶、耳には金と真珠との耳環、手頸には金の腕時計が、いずれもきらきら光っている。
十六 南国の美人(中)
私は大いに敬服したから、長い象牙箸を使う間も、つらつらこの美人を眺めていた。しかし料理がそれからそれへと、食卓の上へ運ばれるように、美人も続々とはいって来る。到底一愛春ばかりに、感歎しているべき場合じゃない。私はその次にはいって来た、時鴻と云う芸者を眺め出した。
この時鴻と云う芸者は、愛春より美人じゃない。が、全体に調子の強い、何処か田園の匂を帯びた、特色のある顔をしている。髪を御下げに括った紐が、これは桃色をしている外に、全然愛春と変りはない。着物には濃い紫緞子に、銀と藍と織りまぜた、五分程の縁がついている。余君穀民の説明によると、この妓は江西の生まれだから、なりも特に時流を追わず、古風を存しているのだと云う。そう云えば紅や白粉も、素顔自慢の愛春よりも、遥に濃艶を極めている。私はその腕時計だの、(左の胸の)金剛石の蝶だの、大粒の真珠の首飾りだの、右の手だけに二つ嵌めた宝石入りの指環だのを見ながら、いくら新橋の芸者でも、これ程燦然と着飾ったのは、一人もあるまいと感心した。