Clásicos japoneses con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas
二十一 最後の一瞥
麦畑の中に花崗石の十字架あり。柳の立木の上に、天主堂の尖塔、屹然と雲端を摩せるを見る。日本人五人、麦畑を縫いつつ出で来る。その一人は同文書院の学生なり。
甲。あの天主堂は何時頃出来たものでしょう?
乙。道光の末だそうですよ。(案内記を開きつつ)奥行二百五十呎、幅百二十七呎、あの塔の高さは百六十九呎だそうです。
学生。あれが墓です。あの十字架が、――
甲。成程、石柱や石獣が残っているのを見ると、以前はもっと立派だったのでしょうね。
丁。そうでしょう。何しろ大臣の墓ですから。
学生。この煉瓦の台座に、石が嵌めこんであるでしょう。これが徐氏の墓誌銘です。
丁。明故少保加贈大保礼部尚書兼文淵閣大学士徐文定公墓前十字記とありますね。
甲。墓は別にあったのでしょうか?
乙。さあ、そうかと思いますが、――
甲。十字架にも銘がありますね。十字聖架万世瞻依か。
丙。(遠方より声をかける。)ちょいと動かずにいてくれ給え。写真を一枚とらせて貰うから。
四人十字架の前に立つ。不自然なる数秒の沈黙。
二十一 最後の一瞥
村田君や波多君が去った後、私は巻煙草を啣えた儘、鳳陽丸の甲板へ出て見た。