Clásicos japoneses con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lee 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.859 caracteres · 105 pantallas
一しょに歌舞伎座の立ち見をした事もある。鎌倉の海を泳いだ事もある。殆夜中上野の茶屋に、盃盤狼藉としていた事もある。その時彼は久米正雄の一張羅の袴をはいた儘、いきなり其処の池へ飛込んだりした。その彼を君などと奉っていちゃ、誰よりも彼にすまないかも知れない。次手にもう一つ断って置くが、私が彼と親しいのは、彼の日本語が達者だからである。私の英語がうまいからじゃない。――何でも或晩そのジョオンズが、何処かのカッフェへ酒を飲みに行ったら、日本の給仕女がたった一人、ぼんやり椅子に腰をかけていた。彼は日頃口癖のように支那は彼の道楽だが日本は彼の情熱だと呼号している男である。殊に当時は上海へ引越し立てだったそうだから、余計日本の思い出が懐しかったのに違いない。彼は日本語を使いながら、すぐにその給仕へ話しかけた。「何時上海へ来ましたか?」「昨日来たばかりでございます。」「じゃ日本へ帰りたくはありませんか?」給仕は彼にこう云われると、急に涙ぐんだ声を出した。「帰りたいわ。」ジョオンズは英語をしゃべる合い間に、この「帰りたいわ」を繰返した。そうしてにやにや笑い出した。