Clásicos japoneses con furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lee 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 173.309 caracteres · 352 pantallas
男袷
首も廻らない借金のある上に、お力はまた、借金を増して、それを払ったという話なのである。
――中国筋、大坂、島原と、諸国の遊び場所を通って来たが、清吉はこんな馬鹿な女の多い土地はまだ他では知らなかった。彼が今、一商いした通船楼の若いおかみさんなどは、前のお蝶やお力などからみれば、まだまだ、くせの少ない方らしく思われた。
男袷
「おや、おかみさん、好いたらしい物をお買いなすったね。これは古渡りじゃござんせんか」
清吉が立ちかけると、こう云って、そこの内緒を覗き、今おかみさんの求めた反物を沁々見ている妓があった。
辰巳ごのみを典型的に身に持っている妓だった。すこし窶れの見えるのもかえって男には魅惑がある。二十三、四というところであろう。痩せがたで、抜けるほど白い襟足が、寒紅梅につもった雪を連想させる。
「――あの人が無事でいたら、わたしもどんな工面しても、こんなのを一反仕立てて、今年の袷に、着せてやりたいが……」
軽い嘆息して呟くと、通船楼の若いおかみさんは、
「何さ、秀八さんともあろう妓が、そんなさもしい愚痴を云って」
「ほんとに、わたしも少し薹が立って来たらしい」